• 10月 26, 2026

息切れの原因は心臓・肺・貧血?症状の違いと病院を受診する目安を解説

「最近、階段を上ると息が切れる」「以前より歩くのがつらくなった」「少し動いただけで息苦しい」――このような症状はありませんか?

息切れは、運動不足や加齢によって起こることもありますが、心不全などの心臓病、喘息やCOPDなどの肺の病気、貧血が原因となっている場合もあります。これらは似た症状が出るため、息切れだけで原因を判断することはできません。

この記事では、息切れの原因となる病気の特徴、心臓・肺・貧血の見分け方、必要な検査、受診のタイミングについて、内科・循環器内科の視点からわかりやすく解説します。

この記事の重要ポイント

  • 息切れの代表的な原因は、心臓・肺・貧血の病気です。
  • むくみや横になると苦しい症状は、心不全を疑う手がかりになります。
  • 咳・痰・ゼーゼーする呼吸は、肺や気道の病気を疑う手がかりになります。
  • 息切れに疲労感・めまい・顔色の悪さを伴う場合は、貧血も考えます。
  • 突然の強い息切れや胸痛を伴う場合は、救急対応が必要です。

1.まず確認|危険な息切れの症状

息切れには、すぐに医療機関での対応が必要なものがあります。特に突然発症した息切れや、安静にしていても強い息苦しさが続く場合は注意が必要です。

119番を考える症状

  • 突然、強い息苦しさが現れた
  • 息が苦しくて会話が難しい
  • 胸の強い痛みや圧迫感を伴う
  • 意識が遠のく、失神した、意識がはっきりしない
  • 唇や顔色が青白い、紫色になっている
  • 急な息切れに冷や汗や強い動悸を伴う
  • 突然の息切れに加え、血の混じった痰や胸痛が出た

急性心不全、心筋梗塞、肺血栓塞栓症(肺の血管に血栓が詰まる病気)などが隠れている可能性があります。該当する場合は、自分で運転せず119番へ連絡してください。

また、急激ではなくても、数日間で息切れが明らかに悪化している、横になると息苦しい、安静時にも新たな息苦しさがある場合は、当日中の医療機関への相談が必要です。

2.息切れはなぜ起こる?3つの仕組み

息切れとは、呼吸をするときに「空気が足りない」「呼吸が苦しい」「息が上がる」と感じる症状です。医学的には、呼吸困難と呼ばれることもあります。

体を動かすと筋肉が多くの酸素を必要とするため、心臓・肺・血液が協力して酸素を全身に届けます。

この働きのどこかに問題が生じると、以前と同じ運動でも息切れを感じやすくなります。

図1|息切れが起こる3つの仕組み(模式図)

① 心臓の問題

血液を十分に送り出せない
または肺に血液がうっ滞する

↓

心不全・不整脈など

② 肺の問題

空気の通り道が狭い
または酸素を取り込みにくい

↓

喘息・COPD・肺炎など

③ 血液の問題

酸素を運ぶヘモグロビンが不足する

↓

鉄欠乏性貧血など

※心臓・肺・血液による息切れの仕組みを簡略化した模式図です。実際には複数の原因が重なることもあります。

例えば、肺が正常でも心臓に問題があれば息切れは起こります。また、心臓や肺に明らかな異常がなくても、貧血によって酸素を運ぶ能力が低下すると息切れが生じます。

3.心臓・肺・貧血による息切れの違い【比較表】

症状の現れ方や、息切れ以外にどのような症状があるかを確認することで、原因を推測する手がかりが得られます。

比較項目 心臓の病気 肺の病気 貧血
主な原因 心不全、不整脈、狭心症など 喘息、COPD、肺炎、間質性肺炎など 鉄欠乏、出血、慢性疾患など
息切れの特徴 歩行や階段で悪化。心不全では横になると苦しいことも 運動時や咳とともに起こる。喘息では夜間・早朝に悪化することも 階段や早歩きなど、体を動かした際に目立ちやすい
伴いやすい症状 足のむくみ、動悸、体重増加、胸部不快感 咳、痰、喘鳴(ゼーゼー)、発熱 疲労感、めまい、動悸、顔色の悪さ
主な検査 心電図、心エコー、BNP・NT-proBNP 胸部X線、呼吸機能検査、必要時CT 血算(Hbなど)、フェリチン、鉄関連検査
治療の方向性 原因となる心疾患への治療 吸入薬、感染症治療、禁煙など 原因検索と鉄補充などの治療

※この表は典型的な特徴を整理したものです。心不全でも咳が出ることがあり、貧血でも動悸が起こります。症状だけで確定診断はできません。

重要なのは「以前との違い」です

以前は問題なく上れていた階段で息切れする、いつも歩いていた距離がつらくなった、息切れが徐々に強くなっている、といった変化は診断の重要な手がかりになります。

4.息切れの原因となる主な病気

① 心臓の病気|心不全・不整脈・狭心症

心臓は血液を全身へ送り出すポンプの役割をしています。心臓の働きが低下したり、脈のリズムが乱れたりすると、体が必要とする血液を十分に届けられず、息切れが起こることがあります。

心臓が原因の息切れでは、運動時の息切れに加え、足のむくみ、動悸、横になると苦しいといった症状が手がかりになります。

心不全

心不全とは、心臓の働きに問題が生じ、息切れやむくみなどが現れる状態です。心臓のポンプ機能が低下する場合だけでなく、心臓が硬くなって血液を十分に受け入れられなくなる場合にも起こります。

代表的な症状は、階段や歩行時の息切れ、足のむくみ、急な体重増加などです。進行すると、横になった際に息苦しくなり、上半身を起こすと楽になる「起座呼吸」が現れることがあります。

高血圧、心筋梗塞、心臓弁膜症、不整脈などが背景にある方では、特に注意が必要です。

不整脈

心房細動などの不整脈によって心拍数が速くなったり、心臓の拍動が不規則になったりすると、動悸や息切れが現れます。

脈の乱れを自覚しないこともあり、息切れや疲れやすさだけが主な症状となる場合もあります。

狭心症・心筋梗塞

心臓の筋肉に十分な血液が届かなくなる病気です。胸の痛みや圧迫感が典型的ですが、特に高齢者や糖尿病のある方では、胸痛が目立たず、息切れが主な症状になる場合があります。

突然の息切れに胸部不快感や冷や汗を伴う場合は、心筋梗塞なども考え、直ちに救急対応が必要です。

② 肺の病気|喘息・COPD・肺炎・間質性肺炎

肺の病気では、空気の通り道が狭くなったり、肺で酸素を取り込む働きが障害されたりして息切れが起こります。

咳・痰・ゼーゼーする呼吸・発熱などを伴う場合は、肺や気道の病気を考える手がかりになります。ただし、これらを伴わない肺の病気もあります。

気管支喘息

気道に慢性的な炎症が起こり、気管支が狭くなる病気です。息苦しさに加え、ゼーゼー・ヒューヒューという呼吸音(喘鳴)や咳を伴うことがあります。

夜間や早朝、運動時、冷たい空気を吸った際などに症状が現れやすいのが特徴です。咳だけが目立つタイプもあります。

COPD(慢性閉塞性肺疾患)

COPDは、主に長期間の喫煙などによって肺に慢性的な障害が起こり、空気を吐き出しにくくなる病気です。

初期には坂道や階段で息切れする程度でも、進行すると平地を歩くときにも息切れが現れます。慢性的な咳や痰を伴うこともあります。

現在喫煙している方だけでなく、過去に長期間喫煙していた方にも起こります。

肺炎・間質性肺炎

肺炎では、感染によって肺に炎症が起こり、発熱・咳・痰・息切れなどが現れます。高齢者では発熱が目立たないこともあります。

間質性肺炎は、肺の組織に炎症や線維化(硬くなる変化)が生じる病気で、徐々に進行する息切れや乾いた咳が手がかりになります。

肺血栓塞栓症

足などにできた血栓が肺の血管に流れ込み、血管を塞ぐ病気です。突然の息切れ、胸痛、頻脈、失神などが現れることがあります。

長時間の移動、手術後、長期間の安静、悪性腫瘍などが危険因子になります。片脚の腫れや痛みを伴う場合もあり、疑われるときは速やかな救急評価が必要です。

③ 貧血|酸素を運ぶヘモグロビンの不足

貧血は、血液中で酸素を運ぶヘモグロビン(Hb)が不足した状態です。

肺から十分に酸素を取り込めていても、その酸素を全身に運ぶヘモグロビンが不足すると、筋肉や臓器に必要な酸素を届けにくくなります。

その結果、階段や早歩きで息切れが起こったり、動悸や疲労感が出たりします。

貧血を疑う手がかり

  • 少し動くだけで疲れやすい
  • 立ちくらみやめまいがある
  • 動悸や頭痛を伴う
  • 顔色やまぶたの裏が白っぽい
  • 月経量が多い、あるいは長く続いている
  • 黒い便、血便などの出血を疑う症状がある

WHOの2024年の基準では、15~65歳の成人において、一般に非妊娠女性はHb 12.0g/dL未満、男性はHb 13.0g/dL未満を貧血と判定します。妊娠中や小児などでは基準が異なります。

ただし、息切れの強さはHbの数値だけでなく、貧血が進行した速さや心肺疾患の有無によっても変わります。

鉄欠乏性貧血では鉄剤などによる治療を行いますが、重要なのは鉄不足の原因を調べることです。月経による出血だけでなく、胃や腸からの出血、腎臓の病気、栄養吸収の問題などが原因となることもあります。

④ 心臓・肺・貧血以外の原因

息切れは、必ずしもこの3つの病気だけで起こるわけではありません。

  • 運動不足・体力低下:活動量の減少によって、軽い運動でも息が上がりやすくなります。
  • 肥満:体を動かす際の負担や呼吸に必要な仕事量が増えることがあります。
  • 甲状腺機能亢進症:代謝や心拍数が増え、動悸・息切れが出ることがあります。
  • 不安・過換気:呼吸が速くなり、息苦しさや手足のしびれを感じる場合があります。
  • 筋力低下や神経・筋肉の病気:呼吸に必要な筋肉の働きが低下する場合があります。

これらの原因を考える際にも、先に心臓や肺などの重要な病気を適切に評価することが大切です。特に新たに出現した息切れを、検査せずに「年齢のせい」「ストレスのせい」と決めつけないようにしましょう。

5.息切れの原因を調べるための検査

息切れの診察では、まず症状が始まった時期、悪化する状況、持病、服用中の薬、喫煙歴などを確認します。

そのうえで、心臓・肺・貧血などの可能性に応じて検査を組み合わせます。

検査 何を調べる? 主な目的
酸素飽和度(SpO2) 指先の機器で血液中の酸素飽和度を測定する 低酸素の評価
心電図 心臓の電気的な動きや脈の乱れを調べる 不整脈・虚血性心疾患の評価
胸部X線 肺の陰影、心臓の大きさ、肺うっ血などを調べる 肺炎・心不全などの評価
心エコー 超音波で心臓の収縮・拡張機能や弁の状態を調べる 心不全・心臓弁膜症の評価
BNP・NT-proBNP 心臓への負担を反映する血液中の物質を測定する 心不全の可能性の評価
血算・鉄関連検査 Hb、赤血球、フェリチンなどを調べる 貧血・鉄欠乏の評価
呼吸機能検査 息を吸ったり吐いたりして肺の換気機能を測定する COPD・喘息などの評価
胸部CTなど 肺や血管などを詳しく画像で調べる 間質性肺炎・肺血栓塞栓症などの精査

すべての検査が必要になるわけではありません。症状や診察所見によって優先順位を決め、緊急性が高いと判断した場合は、専門的な検査や治療ができる医療機関へつなぎます。

心不全を調べるBNP・NT-proBNPとは?

BNP・NT-proBNPは、心臓に負担がかかったときに血液中で増加しやすい物質です。

日本心不全学会の2023年改訂ステートメントでは、安定した状態で心不全を疑う際、BNP 35pg/mL以上、またはNT-proBNP 125pg/mL以上が、心不全の可能性を考えて詳しく評価する目安とされています。

ただし、これらの値が高いだけで心不全と確定するわけではなく、高齢、腎機能低下、心房細動などによっても上昇します。また、肥満などでは心不全でも低値となる場合があります。

検査結果は、症状・心電図・心エコーなどとあわせて総合的に判断します。

6.酸素飽和度が正常でも息切れすることはある?

あります。酸素飽和度(SpO2)が正常でも、心臓の病気や貧血などによって息切れが起こることがあります。

SpO2は、血液中のヘモグロビンのうち、どの程度が酸素と結びついているかを推定する数値です。酸素を運ぶヘモグロビンそのものの量や、心臓が送り出す血液量を直接測定しているわけではありません。

図2|SpO2が正常でも貧血で息切れする理由(模式図)

貧血がない場合

酸素を運ぶヘモグロビンが十分にある

↓

十分な酸素を運びやすい

貧血がある場合

酸素を運ぶヘモグロビンが少ない

↓

SpO2が正常でも酸素を運ぶ総量が不足しやすい

※酸素飽和度と酸素運搬能力の違いを示した模式図です。実際の酸素供給量は、Hb濃度、心拍出量、酸素飽和度などによって決まります。

例えば、鉄欠乏性貧血ではSpO2が98%であっても息切れする場合があります。また、心不全や不整脈でも、状態によっては安静時のSpO2が正常範囲に保たれます。

そのため、「酸素飽和度が正常だから心臓や肺に病気はない」とは判断できません。

一方、SpO2が低下している場合は、呼吸不全などの可能性があります。特に息苦しさを伴って普段より大きく低下している場合には、速やかな医療評価が必要です。

7.息切れは何科を受診する?病院に行く目安

原因がわからない息切れは、まず内科や総合内科で相談できます。心臓病が疑われる場合は循環器内科、肺の病気が疑われる場合は呼吸器内科での評価が適しています。

ただし、症状が強いときは診療科を選ぶよりも、救急受診を優先してください。

図3|息切れの受診判断フローチャート(模式図)

突然の激しい息切れ・強い胸痛・意識障害など

→ 119番・救急受診

↓ 該当しない場合

安静時も苦しい・数日で悪化・横になると苦しい

→ 当日中の医療機関への相談

↓ 該当しない場合

以前より階段がつらい・歩くと息が切れる

→ 数日以内を目安に内科・循環器内科へ相談

※一般的な判断の目安です。急な症状や強い不安がある場合は、区分にかかわらず早めに医療機関へ相談してください。

受診時に伝えていただきたいこと

診察の際には、次のような情報があると原因を調べやすくなります。

  • いつから息切れが始まったか
  • 突然始まったのか、徐々に悪化したのか
  • 何メートルくらい歩くと苦しくなるか
  • 階段・坂道・平地のどこで息切れするか
  • 横になると苦しい、夜中に息苦しくて目覚めることがあるか
  • 胸痛、動悸、むくみ、咳、痰、発熱、めまいなどはあるか
  • 高血圧、心臓病、肺疾患、貧血などの既往歴
  • 現在の内服薬、喫煙歴、最近の健診結果

特に、「以前はどの程度まで動けていたか」は重要です。現在の症状だけでなく、数週間前や数か月前と比べた変化を伝えるようにしましょう。

8.息切れの治療と日常生活の注意点

息切れの治療は、原因によって大きく異なります。息切れそのものを一時的に抑えるだけではなく、背景にある病気を正しく診断し、適切な治療につなげることが重要です。

原因 主な治療の方向性
心不全 病態に応じた心不全治療薬、利尿薬、原因となる心疾患への治療、塩分管理など
不整脈 薬物療法、カテーテルアブレーションなど、種類に応じた治療
気管支喘息 吸入ステロイド薬を含む抗炎症治療、必要に応じた気管支拡張薬など
COPD 禁煙、気管支拡張薬、呼吸リハビリテーションなど
肺炎 原因に応じた感染症治療、必要時の酸素療法など
鉄欠乏性貧血 鉄剤による補充、出血源など原因疾患の治療

息切れがあるときの日常生活

原因が明らかになるまでは、息苦しさを我慢して強い運動を続けることは避けましょう。

普段の生活では、十分な休息をとり、喫煙している方は禁煙を検討してください。心不全がある方では塩分のとり過ぎに注意し、体重変化やむくみを確認することが役立ちます。

一方、運動不足による息切れであれば、病気がないことを確認したうえで、無理のない運動を継続することが改善につながります。

息切れの原因がわからない段階では、自己判断で運動量を急に増やしたり、処方薬を中止したりしないでください。

9.息切れについてよくある質問(FAQ)

Q1.階段を上ると息切れします。年齢のせいでしょうか?

加齢や体力低下でも息切れは起こりますが、それだけとは限りません。以前より階段がつらくなった場合には、心不全、COPD、貧血などの可能性もあります。症状が続く場合は一度検査を受けましょう。

Q2.息切れがあるのに酸素飽和度は98%です。問題ありませんか?

SpO2が正常でも病気がないとは限りません。特に貧血、不整脈、心不全などでは、安静時のSpO2が正常でも息切れが現れることがあります。数値だけでなく症状の経過が重要です。

Q3.心不全では必ず足がむくみますか?

いいえ。心不全でもむくみが目立たないことがあります。息切れや疲れやすさだけが主な症状となる場合もありますので、むくみがないからといって心不全を否定することはできません。

Q4.咳や痰がなければ肺の病気ではありませんか?

いいえ。COPDや間質性肺炎、肺血栓塞栓症などでは、咳や痰が目立たず息切れが主な症状になることがあります。症状に応じて画像検査や呼吸機能検査などを検討します。

Q5.貧血で息切れが起こるのはなぜですか?

血液中のヘモグロビンが減少し、体に酸素を運ぶ能力が低下するためです。体を動かすと酸素の必要量が増えるため、階段や早歩きなどで息切れが目立ちやすくなります。

Q6.健康診断で異常がなくても心臓病はあり得ますか?

あります。一般的な健診の心電図や胸部X線、基本的な採血だけでは、すべての心臓病を発見できるわけではありません。症状に応じて心エコー、ホルター心電図、BNP・NT-proBNPなどの追加検査が必要になります。

Q7.ストレスや不安でも息切れは起こりますか?

はい。不安や過換気などによって息苦しさを感じることがあります。ただし、心臓病や肺の病気でも似た症状が現れます。特に初めての息切れや、これまでと異なる症状の場合には、身体的な病気がないか確認することが大切です。

Q8.息切れは自然に治ることがありますか?

一時的な疲労や運動負荷による息切れは、休息によって改善することがあります。一方、心不全や貧血、COPDなどでは適切な治療が必要な場合があります。繰り返す息切れや進行する息切れを放置しないようにしましょう。

Q9.息切れだけなら循環器内科を受診してもよいですか?

はい。循環器内科では、心不全、不整脈、狭心症などの評価ができます。心臓以外の原因が疑われる場合は、必要に応じて呼吸器内科や他の専門診療科と連携して原因を調べます。

10.当院での息切れの診療について

息切れは原因によって必要な対応が大きく異なる症状です。当院の内科・循環器内科では、症状の経過、心臓・肺の病気の可能性、貧血などの全身状態を踏まえて診察を行います。

特に、高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病がある方では、心不全や虚血性心疾患などが背景にないか注意して評価します。

問診・診察をもとに、必要な心電図、血液検査、画像検査、心臓・呼吸機能の評価などを検討し、院内で対応できない検査や専門的治療が必要な場合には適切な医療機関をご案内します。

このような息切れは、一度ご相談ください

  • 以前より階段や坂道で息が切れるようになった
  • 軽い運動でも息切れや動悸が現れる
  • 息切れとともに足のむくみが出てきた
  • 長年の喫煙歴があり、歩行時の息切れが気になる
  • 健診で貧血や心電図異常を指摘された
  • 息切れの原因がわからず、不安を感じている

急激に悪化した息切れや強い胸痛を伴う場合は、通常の外来予約を待たず、救急受診を優先してください。

11.院長からの一言

「年齢のせいで体力が落ちたのだと思います」と、息切れを我慢されている患者さんは少なくありません。

しかし、息切れは心臓や肺からの大切なサインであることがあります。特に、これまで普通にできていたことがつらくなった場合には、その変化に目を向けていただきたいと思います。

もちろん、息切れがあるからといって必ず重大な病気が見つかるわけではありません。適切な検査で原因を確認することが、安心と必要な治療の両方につながります。

気になる息切れが続く場合には、無理をせず、早めにご相談ください。

まとめ|息切れは原因を調べることが大切です

息切れの原因には、心不全・不整脈などの心臓病、喘息・COPDなどの肺の病気、鉄欠乏性貧血など、さまざまな病気があります。

症状の違いは原因を推測する手がかりになりますが、症状だけでは確実に区別できません。

特に大切なのは、「以前より息切れしやすくなった」「日常生活でできることが減った」という変化を見逃さないことです。

急な強い息切れには救急対応が必要ですが、徐々に進行する息切れについても、適切な検査によって病気を早期に発見できる場合があります。

息切れを年齢や運動不足だけのせいにせず、気になる症状が続くときは内科・循環器内科などへご相談ください。

参考文献・参考資料

  1. 日本循環器学会・日本心不全学会合同研究班.2025年改訂版 心不全診療ガイドライン.2025年.ガイドライン本文
  2. 日本心不全学会.血中BNPやNT-proBNPを用いた心不全診療に関するステートメント2023年改訂版.2023年.学会公式資料
  3. 日本呼吸器学会.COPD診断と治療のためのガイドライン2026〔第7版〕.2026年.学会公式資料
  4. 日本呼吸器学会.成人肺炎診療ガイドライン2024.2024年.学会公式資料
  5. 日本循環器学会・日本肺高血圧・肺循環学会合同研究班.2025年改訂版 肺血栓塞栓症・深部静脈血栓症および肺高血圧症に関するガイドライン.2025年.ガイドライン一覧
  6. World Health Organization. Guideline on haemoglobin cutoffs to define anaemia in individuals and populations. Geneva: WHO; 2024. WHO公式資料
  7. British Thoracic Society. BTS guideline for oxygen use in adults in healthcare and emergency settings. Thorax. 2017. 論文・ガイドライン
  8. National Heart, Lung, and Blood Institute. Anemia: Symptoms. National Institutes of Health. NIH公式資料
  9. National Health Service. Shortness of breath. NHS公式資料

※本記事は2026年10月19日時点で確認できる医学的資料を参考に作成しています。一般的な医学情報の提供を目的としており、個別の診断や治療方針を決定するものではありません。症状や検査結果については、担当医にご相談ください。

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